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  • 執筆者の写真gen taneichi

第5話「この丘に」by 辻 香織

昨日の「種市弦の注文の多い音楽会TV」、当番組二人目のゲストとなる辻香織さんをお迎えして一緒にお送りしたのは辻さんの楽曲「この丘に」でした。

今回合奏することになって、頂いた資料を何度も聴いて収録に臨んだのですが、なにしろこの楽曲につかわれてるハーモニーは、僕が普段使わないストレートなコードが盛りだくさん。ご本人もプロデューサーの上田禎さんも凄くこだわられてるようなので、僕も鍵盤の手癖を払拭しながらトライさせてもらいました(汗)。

ところで、僕は元々歌詞を聴いて音楽を楽しむタイプじゃないから、ただ聴いてるだけだと歌詞が入って来ない事は多々あるんだけど、この曲は例外の方でした。 もちろん歌詞だから抽象的に表現されてるんだけど、なぜだか言葉が不意に入って来たんですね。「なんか、この曲中の主人公のお父さんはきっと亡くなったんだ。もうちょっと真剣に聴かなきゃ」みたいな感情が湧いて、その後さっきより姿勢を正して曲にのめり込んだのを覚えています。先に説明してもらわない方が得られる喜びが大きいという事でしょうか。よくお笑いの人達がネタやる前に「コント○○の話し〜」って言ってから始めるパターンあるじゃないですか。場合にもよるんだけど、基本的に僕アレあんまり好きじゃないのね。何でかって言うと、観てる途中で「これ○○のこと言ってたんだ」ってわかった方が感動が大きい氣がして。さらに、その芸人さんの深さが感じられ、好きになって、結果笑ってしまうっていう…性。結局人間性ですからね、先入観にうまく騙されながら鑑賞するのも大人っぽい楽しみ方の一つなのかもしれませんね。

話しを戻しまして、死後の世界が「ある」とか「ない」とか普遍的な人間のテーマでやり合うつもりは毛頭ございませんが、僕に言わせればあんなもん意識の世界なんだから「ある」に決まってるわけで、あちら側の方達に想いを届けるのに「歌」ってのはもってこいの最高手段なわけであります。改めて、僕も対象者の生死に関わらず「想いを届ける」という歌手としての根源的作業をより意識させられた一日となりました。

ちなみに後で伺ったんですが、辻さんのお父様は浅草で有名な薬局屋さんでご健在だということですので、ご心配なく。



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