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  • 執筆者の写真gen taneichi

「音」と「楽」

経年劣化でボディからネックが浮かび上がってしまったまま2年ほど経ってしまった、我が家の象徴とも言うべきコントラバス。もともと父のものでここから僕の名がつけられたわけで、僕自身の象徴とも言える。


僕は元来、物を本当に大切にできない性格で、お世話になってきた「もの」に対して無礼な扱いをたくさんしてきた。物にも感情があるとは知らなかった。

しかし、ここ数年で色々な知識を吸収し、「目に見えない力」というものを理解できるようになり、さらに同じタイミングで掃除にも興味を持ち、物へのリスペクトはさらに深まった。180°考え方を変えることができた。


にしても、当たり前の有難さになかなか氣付けないのものだ。

僕にとって最も大切と言っても過言ではない自身の象徴ともいうべきコントラバス。その壊れた状態を2年も治そうとしなかったのだから、すごくかわいそうなことをしたと悔いている。


そして今回、ついに修理に出し、美しくなって帰って来た。

しかも弾きやすくなってるではないか。

なにか僕の中の深い部分が浄化された氣持ちになった。


これを機に、物心ついた時から触ってたコントラバスを弾き込んで行こうと思う。

とはいえ、どんな楽器もそうかもしれないが、特にウッドベースには覚悟が必要だ。

なぜなら絶対6,7本の指が水膨れになって切れるからだ。それでも弾き込んで、それが固まり指がボコボコになってやっと音楽的に「弾ける」ようになる。


とにかく僕は、自分のために音楽をやろうと決めた。

好きなことを、好きな時に、好きなようにだけ、やっていこうと思うと、胸は弾みすごく楽になった。

音楽は「音」と「楽」だ。

そして僕は「ベース」の「弦」だ。






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